2025-12-01
「古い空き家を持っているが、特定空き家に指定されてしまうのではないか…」「通報されるとどうなるの?」と不安を感じていませんか?
空き家を所有したまま放置していると、税金の増加や将来の負担が大きくなるおそれがあります。
この記事では、特定空き家に指定される条件や通報の流れ、指定後に発生するリスク、そして通報を防ぐためにすぐ実践できる管理方法まで、順を追って解説します。

「特定空き家」とは、空家等対策の推進に関する特別措置法(空き家法)に基づき、市区町村が認定する空き家のことです。
一般的な空き家の中でも、特に管理が不十分で、周囲に悪影響を与えるおそれがある状態が対象になります。
まずは、どのような状態が特定空き家にあたるのかを整理しておきましょう。
| 該当状態 | 内容 |
|---|---|
| ① 保安上の危険 | 倒壊や外壁・屋根の崩落などの危険がある状態 |
| ② 衛生上の有害 | 悪臭やごみの放置、害虫・害獣の繁殖が見られる状態 |
| ③ 景観の悪化 | 雑草の繁茂や落書きなどで、地域の景観を損ねている状態 |
| ④ 周辺環境への悪影響 | 枝の越境や防犯上の問題があり、近隣に迷惑をかけている状態 |
これらに加えて、2023年12月の法改正で「管理不全空き家」という区分も新たに設けられました。
これは、今後特定空き家になる可能性が高い空き家を早めに把握し、改善を促すための区分です。外壁の一部劣化や雑草の繁茂、郵便物の溜まりなど、「このまま放置すると悪化しそうな状態」が該当します。
古い空き家をお持ちの方は、まずご自宅がどの段階にあるのかを意識して確認してみてください。

「通報」と聞くと、突然行政から厳しい通知が届くイメージがあるかもしれません。
実際には、通報があってもいきなり罰則を受けるわけではありません。自治体による調査を経て「特定空き家」等に指定された後、段階を踏んで改善を促す流れになっています。
まず、自治体は住民からの相談や通報、職員による巡回調査で問題のある空き家を把握します。通報があった空き家については、現地調査を行い、建物の老朽化や衛生状態、周辺への影響を確認します。
そのうえで、基準にあてはまる場合は「特定空き家」や「管理不全空き家」として認定(指定)されます。
<特定空き家に指定された後の行政措置の流れ>
1.指定・助言・指導
特定空き家(または管理不全空き家)に「指定」される
所有者へ現状改善のための「助言」や「指導」が行われる
2.勧告
指導に従わない場合、自治体から「勧告」が出される
※この時点で固定資産税の住宅用地特例が解除されます
3.命令・行政代執行
勧告を受けても改善されない場合は「命令」が出される
最終的には行政が強制的に撤去等を行う「行政代執行」へと進む
重要なポイントは、特定空き家に指定された直後ではなく、自治体からの改善「勧告」を受けた段階で、固定資産税の軽減措置(住宅用地の特例)が解除されるという点です。
これは特定空き家に限らず、新設された「管理不全空き家」であっても同様で、勧告を受けると固定資産税が最大で約6倍になるリスクがあります。
万一、通報を受けたり行政から指導が入ったりした場合でも、勧告に至る前に対処すれば増税は回避できます。速やかに所有物件の状況を把握し、清掃・修繕などの対応を準備されることをお勧めします。
特定空き家に指定され、行政からの指導等が進むと、所有者には経済的にも心理的にも大きな負担がかかります。
以下の主なリスクを整理して確認しておきましょう。
| リスク項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 固定資産税の大幅増加 | 住宅用地特例が解除され、税額が最大6倍になる可能性 | 勧告後、翌年度から適用 |
| 罰金(過料)・行政代執行 | 命令に従わない場合、過料(最大50万円)や自治体による強制撤去の可能性 | 立ち入り調査拒否でも過料が科される場合がある |
| 財産差押えなどの経済的負担 | 解体費用や過料を支払えない場合、他の財産が差押えられ、競売にかけられる可能性 | 負担額は数十万円~数百万円に及ぶこともある |
前述しましたが、特定空き家(または管理不全空き家)として勧告を受けると、まず住宅用地の固定資産税の軽減措置が使えなくなります。その結果、毎年の税負担が一気に増え、家計への影響も無視できないものになります。
さらに、自治体からの助言や勧告を無視し続けた場合は、命令や過料が科される可能性があります。
それでも改善が見られない場合は、行政代執行により強制的に建物が撤去され、その費用は原則として所有者の負担です。支払いが難しいときには、他の財産にまで影響が及ぶことも考えられます。
こうした事態を避けるためには、指定や指導を受けた段階で自治体と相談しながら、早めに対策を検討することが重要です。
特定空き家や管理不全空き家として通報・指定されないためには、日ごろの管理がとても大切です。
ここでは、今すぐ実践しやすい管理方法を整理します。
| 対策項目 | 具体的な内容 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| 定期的な現地確認 | 掃除や剪定、窓・屋根の状態点検、施錠確認を定期的に実施 | 倒壊や景観悪化、衛生リスクの早期発見 |
| 遠方からの管理体制 | 管理代行サービスを利用、自治体や空家管理活用支援法人と連携 | 遠方でも確実に状況把握と管理が可能 |
| 早期の活用・売却検討 | 賃貸活用や解体、売却の検討 人が使うことで劣化抑制も可能 |
空き家の状態が悪化せず、税・罰則リスクを回避 |
定期的な現地確認では、草木の伸び具合やごみの有無、外壁や屋根の傷みをチェックします。あわせて、窓や扉の施錠も確認し、侵入されにくい状態を保つことが大切です。これにより、衛生面のトラブルや景観悪化を予防しやすくなります。
遠方に住んでいて自分で通うことが難しい場合は、空き家管理を行う事業者や空家等管理活用支援法人への相談も一つの方法です。定期巡回や写真付きの報告などを依頼すれば、現地の様子を把握しながら必要な対策を検討できます。
自分一人で抱え込まず、第三者の手を借りることで負担を軽くできます。
将来も使う予定がない場合は、活用や売却を早めに検討することも重要です。賃貸として人が住めば建物の劣化が進みにくくなり、売却すれば税金や管理の負担そのものから解放されます。
「通報される前に動く」ことで、特定空き家への指 定リスクを大きく下げることができます。
特定空き家は、周囲への悪影響が大きい空き家に対して自治体が指定する制度です。通報や巡回調査をきっかけに指定され、その後も改善が見られない場合には、勧告による固定資産税の増額や行政代執行などの大きなリスクが生じます。
日頃の管理や状態確認は、通報や大きなトラブルを未然に防ぐためにも欠かせません。
放置してリスクを抱え続けるのではなく、早めに「売却」をして手放すことも立派な解決策の一つです。迷っている今だからこそ、空き家と向き合い、状況に合った最善の選択を行いましょう。


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