2025-11-04
「道路に面していない土地を売却したい」 「相続した土地が道路に接していない」という状況にある方は、どうすれば売却できるのかお悩みではないでしょうか。
いわゆる「無道路地(むどうろち)」や「袋地(ふくろち)」と呼ばれるこうした土地には、法律や取引の上でさまざまな制約があります。
本記事では、道路に面していない土地の売却が難しい理由や、売却するための方法を解説いたします。

まず、「道路に面していない土地」とは、「接道義務(せつどうぎむ)」を満たしていない土地のことです。
接道義務とは、建築基準法で定められたルールで、「建物を建てる敷地は、幅員4メートル以上の道路に、2メートル以上接していなければならない」というものです。
この義務を満たさないと、原則として新しい建物を建てることができません。これが売却を難しくする最大の理由です。
こうした土地は、主に次の3つのパターンに分けられます。
四方を他の土地に完全に囲まれており、公道に一切接していない土地です。
▼ 売却時の制約
原則として再建築ができません。また、公道に出るには他の土地を通る必要があり、インフラ(水道・ガス管など)の引き込みも難しいため、結果として土地の用途が大きく制限されてしまいます。
面している道路の幅が4メートル未満(例:昔ながらの細い路地など)の場合です。 こうした道路は「2項道路」と呼ばれることがあります。
▼ 売却時の制約
将来建て替える際に「セットバック」(道路の中心線から2メートルの位置まで敷地を後退させること)が必要です。セットバックした部分は道路として扱われるため、有効な敷地面積が減ってしまいます。
道路に接している部分(間口)の幅が、2メートル未満の土地です。
▼ 売却時の制約
このような土地は、奥まった敷地から細い通路が伸びる「旗竿地(はたざおち)」と形状が似ています。間口2メートル以上を確保していれば「再建築可能」ですが、間口が2メートル未満の場合は接道義務を満たせず「再建築不可」となります。
道路に面していない土地が売却しづらい理由は、買い手側にとってデメリットとなる部分があるためです。
これが大きな理由です。 前述のとおり、接道義務を満たさない土地は、今ある建物を取り壊して新しい家を建てることが原則できません。
土地の購入希望者の多くは「新しい家を建てたい」と考えているため、「再建築不可」だと検討の対象外となってしまいます。
買い手が家を建てる(または買う)際、多くの方が住宅ローンを利用します。 しかし、金融機関は物件の「担保価値」を厳しく審査します。
再建築不可の土地は、「建て替えができない=資産価値が低い」と判断されるため、金融機関の融資審査に通ることが難しくなるのです。 結果として、購入できるのは「現金一括で購入できる人」に限定されてしまいます。
さらに、実際に暮らす上での不便さも、売却が難しい理由のひとつとなります。
■ 大型の車が敷地内に入りづらい
■ 緊急車両(消防車や救急車)が入れないリスク
■ 工事車両も入れず、リフォーム費用が割高になる
■ 日当たりや風通しが悪いケースが多い
■ (袋地の場合)隣地を通行することによるトラブルリスク
売却が難しい大きな理由は「再建築不可」であることです。 しかし、接道義務を満たして「再建築可能な土地」に変えることができれば、売却できる可能性は高まります。
ここでは代表的な3つの方法をご紹介します。
最も王道な方法です。 隣地の所有者と交渉し、道路に接するまでの通路部分や、間口が2メートルになるように土地の一部を買い取らせてもらう方法です。
▼ 注意点
隣地所有者との交渉が必要です。売買費用や測量費、登記費用なども発生します。
面している道路の幅が4メートル未満(2項道路)の場合、敷地を後退させる「セットバック」を行うことで、建築確認(再建築)が可能になります。
▼ 注意点
セットバックした部分は道路とみなされるため、敷地として使える面積が減ります。
道路に接していなくても、「その土地の周囲に広い空き地がある」「公道まで問題なく通れる通路がある」など、安全上・防火上の問題がないと特定行政庁(自治体など)が認めれば、例外的に建築許可が下りることがあります。
▼ 注意点
手続きが煩雑で専門知識が必要で、必ずしも許可が下りるとは限りません。
接道義務を満たすのが難しい場合でも、 「再建築不可」のまま売却する方法もあります。
土地の売却を検討してくれる可能性が最も高い相手が、隣地の所有者と言われています。 隣地の所有者にとっては、土地を買い取ることで「自分の敷地が広くなる」「(隣地も接道不良であれば)接道義務を満たせる」といったメリットが生まれます。
▼ メリット
お互いの利害が一致すれば、市場価格に近い価格で売却できる可能性があります。
▼ 注意点
交渉には時間と手間がかかることが多いです。また、相手が購入を希望するとは限りません。
なかなか買い手がつかない土地の買取を行っている業者に依頼するのもひとつの方法です。
こうした業者は、再建築不可の土地を買い取った後、リフォームして賃貸に出したり、隣地と交渉したりするノウハウを持っているため、現状のまま買取が可能です。
▼ メリット
買い手を探す必要がなく、手間が少なくスピーディーに売却(現金化)できます。
▼ 注意点
売却価格は、通常の市場価格より安くなる傾向があります。価格は土地の形状や立地条件によって大きく変動します。
道路に面していない土地は、建築基準法上の制約や生活面の不便さから売却が難しいことがあります。
しかし、隣地の買い取りやセットバック、行政の許可取得などによって再建築可能にできる場合もあります。また、再建築が難しいままでも、隣地所有者や専門の買取業者に売却することが可能です。
「自分の土地はどの方法なら売れるだろう?」 「隣地との交渉や手続きが難しそう」稲沢市の土地に関することで、このようにお悩みの方は、弊社へお気軽にご相談ください。
土地の状況を丁寧に拝見し、お客様にとって最適な売却プランを無料でご提案いたします。
【あわせて読んで欲しい!人気の記事はこちら!!】
※土地をお探しの方
人気№1:稲沢市の土地探し 農地は宅地に変わる?そもそも買えるの?
人気№3:稲沢市における子育て環境について手当や助成と共に紹介
※新築一戸建てをお探しの方
人気№2:建売住宅が注文住宅より安いのはなぜ?その理由を3つのポイントから解説
人気№3:建売住宅の寿命の長さや注文住宅との違いは?メンテナンス方法も解説
人気№4:建売住宅を購入するときの流れ!契約前から入居まで3段階に分けてご紹介
人気№5:建売住宅購入時に知っておきたいチェックポイントとは?3つに分けて解説!
※不動産を売りたい方
部署:代表取締役
資格:宅地建物取引士・一級建物アドバイザー・不動産キャリアパーソン・空き家マイスター・住宅ローンアドバイザー
この仕事は『ありがとう』が溢れています。お取り扱いする商品が高価であるため、責任が重くプレッシャーが大きい仕事です。ただ、それ以上に、『良い物件を見つけてくれてありがとう!!』『早く売却してくれてありがとう!!』『困ってる不動産の問題が解決できてありがとう!!』など。お客様から本当にたくさんの『ありがとう』を頂きます。地域の不動産業者にしかできない仕事で街づくりに貢献していきたいです。
2024年リニューアル|親族間売買の注意点!!身内の間で不動産を売却したい!!そういったご相談を頂くことがあります。身内同士だからトラブルになりっこない。と多くの方が思われると思いますが...
2024-01-01
【稲沢市不動産売却】稲沢市平和町西光坊土地ご成約ありがとうございました!! 弊社が選ばれている理由|お客様の声 稲沢市、清須市の不動産売買専門店 ハウスドゥ 1...
2022-09-18
【稲沢市不動産売却】遺産分割とは?遺産分割とは、相続が発生したときに、相続財産を各相続人へ分配していくことをいいます。基本的には、法定相続がベースになりますが、個別の事情(生前贈与分や、療養...
2022-09-22
【稲沢市不動産売却】稲沢市祖父江町三丸渕 土地 ご契約誠にありがとうございます!!稲沢市、清須市の不動産売買専門店 ハウスドゥ155号稲沢です!本日は、稲沢市祖父江町三丸渕の土地の売買契約で...
2022-09-26
「道路に面していない土地を売却したい」 「相続した土地が道路に接していない」という状況にある方は、どうすれば売却できるのかお悩みではないでしょうか。いわゆる「無道路地(むどうろち)」や「袋地(ふくろち)」と呼ばれるこうし...
2025-11-04
土地を売却し譲渡所得が生じた場合、税金負担が増えることを不安に感じている方も多いのではないでしょうか。実は、土地の売却益が出た年には「ふるさと納税」を活用することで、節税につなげることが可能です。しかし、ふるさと納税の...
2025-10-09
家の売却は人生で何度も経験することではありません。そのため、「何をしてはいけないのか」をきちんと知っておかないと、思わぬトラブルや損失につながることもあります。特に稲沢市で家の売却を考えている方は、法律や税金、価格設定...
2025-09-07
「相続した土地を手放したい」と考えたことはありませんか?特に、土地の管理・維持に悩んでいる場合は、相続放棄という選択肢が気になる方も多いはずです。しかし、手続きの流れや注意点を正しく知っておかないと、思わぬトラブルに発...
2025-09-03
ご実家の空き家、遠方からきちんと管理できているか心配に思うことはありませんか。放置された空き家は、建物の老朽化や近隣とのトラブルを引き起こす原因にもなってしまいます。本記事では、稲沢市に実家の空き家を持つ遠く離れた方が...
2025-10-16
空き家を相続した後、どのように管理を進めるべきか戸惑っていませんか。現在、管理を怠ったことによるトラブルが年々増加しています。この記事では、空き家を相続した直後に起こりやすい管理上の問題やリスク、そして効果的な対策につ...
2025-10-16
空き家を相続したものの、どのような手続きや管理を行えばよいのか分からず、不安を感じていませんか。実は、相続した空き家には、法的な対応や適切な管理が求められます。これらを怠ると、思わぬ税負担や近隣トラブルにつながる場合が...
2025-10-09
「空き家でも火災保険に入る必要があるのだろうか」 という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。実は、空き家には特有のリスクがあり、万一の際の補償について知っておきたい大切なポイントがあります。本記事では、空き家に...
2025-10-03
【2024年】市街化調整区域の不動産売却!成功の秘訣と注意点とは?市街化調整区域にある実家を売却したいと考える方は多いでしょう。しかし、このエリアの不動産売却には特有の知識が必要です。市街化調整区域の特徴や制約を理解する...
2024-12-30
【2024年】市街化調整区域の実家売却成功の秘訣とは?ポイント徹底解説!市街化調整区域にある実家の売却を考えている方へ、その特徴と売却のポイントを解説します。市街化調整区域は一般的な市街地とは異なり、売却には特有の注意点...
2024-11-25
2024年リニューアル|ショック!自宅の一部が既存宅地でなかった事例(市街化調整区域)稲沢市、清須市の不動産売買専門店 ハウスドゥ 155号稲沢(株)不動産トータルサポート、代表の渡邉友浩です。私がご担当させて頂く案件の...
2024-06-04
2024年リニューアル|市街化調整区域にある土地や住宅は売れるのか?稲沢市、清須市の不動産売買専門店 ハウスドゥ 155号稲沢(株)不動産トータルサポート、代表の渡邉友浩です。いつもブログを読んでいただきありがとうござい...
2024-06-04