2022-11-06
高齢化が進んで高齢の方の独居が増えたため、空き家問題も急速に拡大しつつあります。
事前の対策として家族信託をおこなうことで、のちにメリットとなるでしょう。
そこで今回は、愛知県あま市周辺で不動産相続を予定している方に向けて空き家対策となる家族信託とはどのようなものか、制度の内容やメリットについて解説します。
\お気軽にご相談ください!/
まず、空き家となる背景にはどのような問題があるのでしょうか。
実家で一人暮らしの親が亡くなった場合、実家は空き家となってしまいます。
家は人が住まなくなると建物の傷みや庭の荒廃が進行するため、資産価値が下がってしまうでしょう。
また、一定の要件を満たした場合、自治体から「特定空家」の指定を受ける恐れもあります
特定空家にしていされると固定資産税の軽減措置の対象外となるうえ、荒廃が進むと最悪の場合は強制執行で取り壊しの可能性もあり、その費用は所有者の負担となってしまいます。
このようにならないように、相続は一定期間内に完了させることが義務となっていますが、相続人の不在や所在が分からないなどで、放置されてしまう空き家も増えています。
また、相続人の間で遺産分割の方法がまとまらないなどの理由で競売の申し立てがおこなわれ、結果として相場よりかなり安く売却されてしまうケースもあります。
空き家の相続が完了して、どなたかの単独名義となっても、その後の利用方法や売却の方針が決まらないなどの理由で、放置されてしまうことがあります。
また、換価分割予定の空き家も、「思い出の家だから、しばらく残しておこう」「中の家財が片付けられない」などの理由で売却が長引くこともあるでしょう。
しかし前述したように、空き家は年月が経過すると傷み、資産価値が下がります。
そのほかに、売却で発生する税金の負担を軽減する空き家の控除の特例は、相続が終わって一定期間を経過すると利用ができなくなり、課税額が高くなる恐れがあります。
課税額を計算してみて売却額が高くなるケースや、放置時の傷みの早い一戸建ては、なるべく早く売却を進めた方が良いでしょう。
実家の親が体調を崩したなどの理由で同居、もしくは病院や施設に入居する場合も実家は空き家となります。
ほかにも認知症や脳梗塞などで一人で暮らせなくなる場合もあるでしょう。
このような理由で所有者である親が自分の財産をどうするかという判断能力を失っていると、家族が空き家の売却やリフォームなどができなくなります。
このような状況を未然に防ぐ対策として、被相続人の意思能力があるうちにおこなえるのが、家族信託です。
\お気軽にご相談ください!/
家族信託とは、親の財産を信頼できる家族に託し、財産を任された方が親の財産を守り、家族のために正しく有意義に利用できるようにするための制度です。
認知症などによって意思能力を失った方が、不動産の売買契約をしても無効になってしまいます。
これは意思能力に欠いた本人がおこなっても、本人の代わりに家族がおこなおうとしても同様で、所有者本人の意思確認が不明確な場合、売買契約をすることが難しくなります。
これは売買だけでなく、賃貸借やリフォームなどの契約行為も該当するため、空き家を正しく運用管理する行為もおこなえません。
実家を売ったり貸したりして介護費用をねん出しようにもできず、傷んだ箇所を直して維持することも制限がかかるようになります。
このように不動産をはじめとした資産は親の意思確認ができないと凍結されるため、事前に家族信託で防ぐことがおすすめなのです。
相続対策や財産の管理・運用をおこなう家族信託の仕組みには、委託者・受益者・受託者という3つの立場があります。
財産を持つ親が委託者と受益者となり、親族が管理運営する受託者になるのが一般的ですが、子どもで受託者になれる方が不在の場合、甥や孫も受託者となることが可能です。
予定される相続人が複数の場合は、話し合いをおこなったうえで、誰がどのような役割をするのかを決めておく必要があります。
まず、家族信託の契約は、病気などの発症で本人が意思能力を失ってからではおこなうことができないため、そのようになる前に進める必要があります。
相続予定の方が集まり、委託者・受託者・受益者を決めたら、本人に家族信託の意義や始めたい旨を伝え承諾を得ます。
信託契約をする前に、専門家を交えて受託者などの役割、信託の目的、信託財産の管理、運用方法、信託の終わらせ方などを確認のうえ取り決めます。
このほか念のために、受益者代理人や受託者を監視するための信託監督人、受託者に信託財産の管理・処分に関して指図する指図権者を選ぶことも可能です。
また、信託終了となる親の死後、誰にどのように財産を分配するかも話しあっておくことで、先行きの財産分与もスムーズに進めることができるようになります。
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家族信託には、財産運用の保護以外にもメリットがあり、同様の目的の制度である成年後見に比べても利点が大きいです。
財産の運用は空き家対策として維持管理をしたり、価値が下がらないうちに売却してお金にすることも含まれます。
家族信託では家族の権利が守られ、財産の運用をおこなえます。
財産や目的別に細かい指定が可能で、財産を受け継ぐ方が複数の場合でも、取り決めさえできれば安心です。
本人が意志能力を失った場合、成年後見制度を利用することができますが、家族信託とは費用の差があります。
親族以外の、弁護士などの専門家が後見人に指定された場合は、毎月2万円から6万円の費用が発生し、それは本人が亡くなるまで続きます。
対して家族信託の場合は、トータルで50万円から100万円で収まることが多いため、年数を経るとかなりの差が出てきます。
そのほか、成年後見制度では家庭裁判所の許可なしに不動産の売却ができないことや、親族が成年後見人となると家庭裁判所への報告が必要などの事務的な負担が大きくなることもあります。
一般的な家族信託契約で、親を委託者兼受益者、子を受託者、委託者の自宅を信託財産とすることで、贈与税が発生しなくなります。
委託者が受益者を兼ねる信託は自益信託となり、贈与には該当しないためです。
また、前述のように実家の売却の場合、成年後見制度では家庭裁判所の許可が必要となりますが、家族信託では受託した親族の判断で売却手続きを進めることができます。
そして、家族信託は遺言では指定が困難な、数世代先にわたる財産承継まで指定することが可能なため、家の承継者が決まらずに荒廃した空き家が増えるのを防ぐことができます。
空き家対策となる家族信託とはどのようなものか、制度の内容やメリットについて解説しました。
家族信託をおこなうことで資産の凍結や相続税の発生を防ぐことができます。
成年後見制度よりも費用を抑えられ、遺言よりも財産承継について指定することもできるため、資産を守る対策を家族で話してみてはいかがでしょうか。
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代表者名 代表取締役 渡邉 友浩
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