2025-06-13

突然、所有する斜面地が土砂災害警戒区域に指定されると、「資産価値が下がるのでは」「本当に売れるのだろうか」と戸惑う方が少なくないでしょう。
しかし、リスクを正確に把握したうえで対策と情報開示を行えば、安心して売却することは可能です。
そこで本記事では、土砂災害警戒区域の基礎知識からリスク評価、価格設定、そして売却後のフォローまでを解説します。
土砂災害警戒区域とは、土砂災害防止法に基づき、土石流・急傾斜地の崩壊・地すべりなどの危険があると認められた区域を指します。
土砂災害警戒区域が指定される際は、まず都道府県知事が基礎調査を行います。
その後、危険度によって「土砂災害警戒区域」と、より厳格な「土砂災害特別警戒区域」の二段階に分けられるのです。
指定後の区域図は、各自治体サイトや国土交通省が運営する「土砂災害ポータルサイト」や「ハザードマップポータルサイト」で確認できるため、まずご自身の土地がどちらに該当するかを把握しましょう。
その際、「土砂災害特別警戒区域」に指定された区域は 「レッドゾーン」と呼ばれ、特に注意が必要です。
この区域は、土砂災害が発生した場合に建築物が損壊し、住民の生命や身体に著しい危害が及ぶおそれがあると認められるため、建築や開発行為に対して厳しい規制が設けられています。
そのため、新築や増改築を行う際には構造基準を満たす必要があり、特定開発行為には都道府県知事の許可が必要になります。
そして、「土砂災害警戒区域」と指定された区域の場合は、構造義務は無いものの、危険情報の周知が求められます。
こういった「周知」は、主に行政や自治体が住民に対して行うものですが、不動産取引時には仲介業者が買主に対して必ず情報を伝える義務があります。
したがって、指定区分によって取るべき対策やコストは変わるため、早めに確認しておくことが重要です。

こういった、土砂災害警戒区域に指定された土地を売却する際には、買主に対して誠実に説明する義務があります。
不動産に会社に依頼する場合は、重要事項説明書にその旨を記載してもらうことが必要です。
くわえて、以下のような防災対策を行い、買主に安全性をアピールしましょう。
まずは、売却対象の土地にリフォームや土地改良を行い、実質的な価値を高めるということが挙げられます。
たとえば、擁壁の補強、排水路の整備、建物の屋根や外壁の修繕、地盤改良工事です。
費用はかかりますが、こうした改善は視覚的効果だけでなく、買主からの信頼度が高まりやすくなります。
また、買主にとっても、将来のメンテナンスコストを低減するメリットとなり、売却交渉を有利に運べる可能性もあります。
他にも、物件の安全に関する情報を示すことができる方法があります。
それは、自治体の発行するハザードマップの提示、専門家の診断書や調査結果を示す資料の用意をし、具体的なデータや証拠を示すことです。
そうすることで、説明不足のためのトラブルを防ぎ、誠実な情報開示に役立てることができるでしょう。
ここまで、土砂災害警戒区域の土地売却についてお伝えしてきましたが、その中でも特に大事な「法的手続き」について詳しくご紹介します。
先ほども述べているように、これを適切に行うことで「土砂災害特別警戒区域」でも特定開発行為を行う許可を得られる可能性があります。
それでは本題の重要な法的手続きは、「告知義務」と「知事許可」の2点です。
告知義務では、売主が仲介業者に記載してもらう重要事項説明書で「当該地が警戒区域(または特別警戒区域)に該当する」事実を買主へ明示しなければなりません。
宅建業法と土砂災害防止法が根拠であり、省略・虚偽は損害賠償や契約解除につながるリスクがあります。
くわえて、売主としては、ハザードマップの写しや専門家の調査報告書を添付し、説明漏れを防ぐ体制を整えておくと安心です。
一方、知事許可は特別警戒区域(レッドゾーン)で「住宅地分譲や社会福祉施設の建築」など特定開発行為を伴う売買に必要です。
こちらは、安全対策工事の計画が基準を満たさなければ許可は下りず、許可前に広告・契約を交わすことも禁じられています。
許可取得には申請図面・構造計算書などが求められ、審査には数週間〜数か月を要するのが一般的です。
以上の法的手続きを適切に行い、買主にとっても安心して売買交渉ができる環境を整えることが重要です。
土砂災害警戒区域は、一般の「土砂災害警戒区域」と、建築・開発行為に厳しい規制がかかる「土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)」に分かれます。
レッドゾーンで特定開発行為を行う場合は、都道府県知事の許可が必要です。
また、いずれの区域でも危険情報の周知が求められますので、売却時には買主へリスクを丁寧に説明し、重要事項説明書への記載やハザードマップの提示を行いましょう。
告知義務と知事許可を適切に行うことが、安全で円滑な取引につながるでしょう。
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