2023-01-24
相続した空き家を売りたいと考えていても、どのような売却方法が適しているのか分からず、そのまま放置している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
じつは空き家にはさまざまな売却方法があり、所有している空き家に合わせた方法を選択することで、活用の幅が広がる可能性があります。
この記事では空き家を売却する3つの方法と、必要な費用、利用できる減税制度について解説いたします。
愛知県稲沢市周辺で空き家の売却を検討されている方は、ぜひご参考になさってください。
\お気軽にご相談ください!/
目次
空き家に手をくわえず、現状のまま売却する方法としては、次の2種類が挙げられます。
ひとつは、家と土地の価格を合わせて、一般的な中古住宅として売却する方法です。
空き家の劣化が少なく、そのままでも住める状態であれば、この方法で売却できるでしょう。
もうひとつの古家付き土地とは、家の価値はないものとして、土地のみの価格で売却することです。
空き家の劣化が激しく、改装や建て替えをおこなわなければ住めない状態の場合には、古家付き土地として売り出されることが多くあります。
上記2つの方法のどちらを選択するのかについて、明確な判断基準はありません。
しかし、木造住宅の法定耐用年数が22年と定められているため、一般的には築20年以上の木造一戸建ては価値がないものとして扱われる傾向にあります。
ただし、築20年以上経過していても十分に住める家が多いため、どちらの方法で売却するか、不動産会社とも相談しながら進めると良いでしょう。
空き家をそのまま売却するメリットとしては、以下の3つが挙げられます。
①費用や時間を節約できる
現状のまま売却するということは、解体費用やリフォーム費用がかかりません。
また、解体や施工に時間がかかることもないので、売却にかかる期間も短縮できます。
そのため、解体せずに現状のまま売却することで、経済的な負担や手間を省いて、すぐに売却活動を始められるでしょう。
②固定資産税の優遇措置を受けられる
建物がある土地は、固定資産税が6分の1になる「住宅用地の軽減措置特例」が受けられます。
更地として所有するよりも税負担が少なくないため、焦らず売却活動に取り組むことができるでしょう。
③契約不適合責任を免責にできる場合がある
契約不適合責任とは、引き渡し後に契約内容と異なる不具合が見つかった場合、売主が負う責任のことです。
古家付き土地の場合は、家の価値が価格に反映されないため、建物に関しては契約不適合責任を免責できます。
そのためトラブルを心配することなく、安心して売却に臨めるといえます。
一方で、空き家になっているような不動産を売却するということは、それなりのデメリットもあります。
①売却までに時間がかかる可能性がある
劣化が進んでいる空き家をそのままで売却する場合、劣化の進行具合によっては買主が見つかるまでに時間がかかることが考えられます。
また、買主が解体を希望する場合は、買主負担で解体工事を手配しなければなりません。
購入してもすぐに家を建てられないことから、なかなか買主が見つかりにくい可能性があります。
②相場より価格が安くなる
古家付き土地の場合は、買主が解体費用やリフォーム代を負担することになります。
そのため、解体やリフォームにかかるであろう費用を、差し引いた金額で売り出すことも多いです。
そこからさらに価格交渉が入れば、相場よりも大幅に安い価格で売却することになる可能性もあるので、注意が必要です。
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空き家の劣化が進んでリフォームが必要な場合や、そのままでは住めない状態になってしまっている場合は、更地にしてから売却することも多いです。
ここでは空き家を解体して更地にしてから売却するメリット・デメリットをご紹介いたします。
空き家を更地にして売却すると、主に以下の2つのメリットが得られます。
①買主が見つかりやすい
更地として売却すれば買主が解体する手間もなく、すぐに着工できることから、古家付き土地よりも早く売却できる可能性があります。
また、土地として売却することで、駐車場用地やアパート用地を探している方にも物件をアピールすることができ、購入層を広げられるでしょう。
②管理をしなくて済む
家は人が住むことによって換気や通水がおこなわれ、自然と管理されていますが、誰も住まない空き家は老朽化が早まり、資産価値も低下します。
そのため、空き家は放置せず、定期的に訪れて換気や通水、除草などの管理をおこなわなければなりません。
しかし、空き家を解体して更地にすれば、そもそも空き家がなくなってしまうので、管理する必要もなくなります。
①解体費用がかかる
空き家を更地にするデメリットは、売却前に解体費用がかかることです。
一般的な30坪の木造住宅では、解体費用に100万円以上かかることが一般的です。
場合によってはさらに高額になることもあり、売主の経済的な負担が大きくなります。
②固定資産税が高くなる
固定資産税は毎年1月1日の時点で、不動産を所有している方が支払う税金です。
そのため、空き家を解体する時期によっては、固定資産税が6分の1になる軽減措置が受けられなくなってしまいます。
更地にしてから売却するまでの期間が長引けば、固定資産税の負担が大きくなる可能性があることも知っておきましょう。
空き家の解体に必要な費用は、空き家の構造によって異なります。
築年数の古い空き家に多い木造がもっとも費用相場は安価ですが、それでも少なくない費用が必要なので、事前にそれぞれの相場を把握しておきましょう。
ただし、周辺環境や建材によっても費用は異なり、門扉やブロック塀、庭木などを撤去する場合は別途追加費用が必要です。
少しでも解体費用を節約するためには、家具や家電を自分で処分し、空き家解体のために利用できる補助金はないか、確認してみるのもおすすめです。
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そのままでの売却が難しい場合、リフォームやリノベーションを施して、物件の魅力や住みやすさを向上させたうえで売却するのもひとつの方法です。
ここでは空き家をリフォーム・リノベーションするメリットやデメリット、必要な費用相場、利用できる減税制度をご紹介いたします。
リフォームやリノベーションなどの改装工事をおこなってから空き家を売却することには、主に2つのメリットがあります。
①買主が見つかりやすくなる
築年数の古い空き家の場合、設備が故障していたり、傷や破損が目立っていることも少なくありません。
そのような欠陥がある状態では、売却や賃貸に出すことも難しいでしょう。
しかし、リフォームやリノベーションで必要な修繕をおこない、内装や設備を新品に交換することで、内覧時に良い印象を持ってもらえ、買主が見つかりやすくなる可能性があります。
②所有リスクを軽減できる
先述したとおり、適切な維持管理がおこなわれない空き家は老朽化が進みます。
見た目だけでなく、構造も脆くなってしまうので、地震が起きたときの倒壊のリスクが高いです。
万が一倒壊してしまうと近隣住民に迷惑がかかるだけでなく、倒壊によって発生した損害の責任は所有者が負うことになります。
また、廃屋のような空き家は景観を損ねるほか、不法投棄や放火などの周辺環境の悪化を招くことも。
しかし、リフォームやリノベーションで構造や見た目を改善できれば、このようなリスクを軽減・回避できます。
一方で、空き家のリフォーム・リノベーションは、それにかかる費用が大きなデメリットになる可能性があります。
①多額の費用がかかる
空き家のリフォーム・リノベーションには、少なくない費用が必要です。
とくに築年数の経過した空き家ほど、改修すべき箇所が多くなるので、費用が高くなる傾向にあります。
そのため、あれもこれもと手をかけすぎて、予算オーバーにならないように注意が必要です。
②工事費用の回収が難しい
また、リフォームやリノベーションにかかった費用を回収しにくいのも、大きなデメリットです。
工事にかかった費用を売却価格に上乗せして売り出すことも可能ですが、中古物件の魅力である安さが失われてしまいます。
相場よりも割高な印象を与えてしまうと、購入を見送られたり、そもそも候補から外されてしまうこともあるでしょう。
では具体的にはどの程度の費用が、空き家のリフォーム・リノベーションに必要なのでしょうか?
一部をリフォーム・リノベーションする場合
空き家を部分的に改修する場合、全体的に工事をおこなうよりも費用を抑えられます。
施工部分別の費用相場は、以下のとおりとなっています。
たとえば、床や壁などの小規模な内装工事であれば、費用が数十万円に収まることも多いです。
一方で水回り設備の交換は費用が高くなりやすいので、工事するかどうかは予算やニーズと相談するのがおすすめです。
また、屋根や外壁などの面積が広い場所の工事も費用が高くなりやすいですが、安全性に関わることも多いので、優先的に工事を検討しましょう。
ただし、これらの費用は工事内容や建材・設備のグレードによっても差が生まれるため、あくまでも目安のひとつとしてご参考になさってください。
全面的にリフォーム・リノベーションする場合
空き家をフルリフォームやフルリノベーションする場合、先ほど説明したさまざまな工事内容を一度におこなうことになります。
そのため、費用の目安は「500~2,000万円」と、比較的高額になることが多いです。
また、工期も長くなるため、予算と時間に余裕を持っておきましょう。
ただし、こちらも先述したとおり、空き家の劣化状態や工事の内容によって費用は異なります。
500万円前後でフルリノベーションできた事例もあるので、状況によっては検討する価値が大いにあるといえます。
現在、空き家などの中古物件の増加は大きな社会問題となっています。
そこで、中古物件の流通を促進するため、空き家を活用しやすくなる減税制度が充実しています。
ここでは空き家のリフォーム・リノベーションで利用できる4つの減税制度をご紹介いたします。
①住宅ローン減税
住宅ローン減税とは、10年以上の住宅ローンを組んで、リフォームやリノベーションをおこなった際に利用できる減税制度です。
一定の条件を満たすと、年末の住宅ローン残高に応じた金額が課税所得から控除されるため、所得税を減税できます。
空き家の工事では、リフォームやリノベーションの工事費用から補助金などを除いた金額が、100万円を超えていることなどが利用の条件となっています。
②所得税額の特別控除
所得税額の特別控除も、空き家のリフォームやリノベーションで利用できる減税制度です。
工事費用相当額の10%が、その年の所得税から控除されます。
対象となるのは、空き家の耐震化・バリアフリー化・省エネ化・三世代同居型住宅化・長期優良住宅化をおこなう工事などです。
③贈与税の非課税措置
リフォームやリノベーションをおこなうことを目的に、親などから金銭的な援助を受ける場合、一定の金額を超えると贈与税が課せられます。
しかし、贈与税の非課税措置が適用されれば、金銭的援助があっても課税されません。
贈与税の非課税措置を利用するためには、工事費用が100万円を超えていることが条件となっています。
また、非課税枠には上限額があり、耐震・省エネ・バリアフリー化する工事で1,000万円、それ以外のリフォーム・リノベーションでは500万円が上限額です。
④固定資産税の軽減
空き家のリフォームやリノベーションでは、固定資産税を軽減する減税制度もあります。
この制度では、対象となるリフォーム・リノベーションをおこなうと、固定資産税が1年間減税されます。
最大控除額は長期優良住宅化の場合は3分の2、耐震工事では2分の1、バリアフリー化と省エネの場合は3分の1です。
また、工事内容によっては2年間軽減できることもあるので、適用条件や減税内容をあらかじめ確認しておきましょう。
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空き家の売却では解体費用や工事費用だけでなく、仲介手数料や印紙税・抵当権抹消費用などのさまざまな費用もかかります。
また、これらの費用以外にも、状況によっては「相続登記費用」や「譲渡所得税」も発生する可能性があります。
相続した空き家を売りたい場合は、被相続人から相続人に名義を変更する相続登記をおこなわなければなりません。
相続登記時には、登録免許税や司法書士に依頼した場合の手数料など、次のような費用がかかります。
相続登記の手続きは法務局でおこないますが、手続きを司法書士に依頼する場合は上記のような司法書士への依頼料がかかります。
相続登記をせずに放っておくと、二次相続が起きて相続人が増えてしまうなど、トラブルの原因になってしまいます。
不動産を相続することになったら、早めに相続登記をおこないましょう。
空き家の取得費と譲渡費用の合計よりも売却価格が上回り、利益が発生すると、その利益には譲渡所得税が課税されます。
ただし、売却によって利益が発生しなかった場合は、譲渡所得税の課税はありません。
譲渡所得税の税率は、1月1日時点での所有期間により次のように異なります。
所有期間は被相続人が所有していた期間も合わせて計算します。
また、相続してから3年後の年末までに売却するなど、いくつかの適用要件を満たすことで、譲渡所得が3,000万円まで控除される「相続空き家の3,000万円特別控除の特例」が利用できる場合もあります。
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所有している空き家を売りたい場合は、現状のまま売却するか、更地にして売却するか、リフォーム・リノベーションして売却するかの3つから選ぶことになります。
現状のまま売る場合は、解体費用がかかりませんが、売却までに時間がかかる可能性があります。
一方で、更地にして売ると買主は比較的見つかりやすいですが、解体に少なくない費用がかかるため、注意が必要です。
また、リフォーム・リノベーションすると倒壊などのリスクを防ぎつつ売却できますが、工事にかかった費用を売却で回収できない可能性があります。
空き家の状態によって適した売却方法は異なるため、利用できる減税制度も把握したうえで、どの方法で売却するか決定すると良いでしょう。
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